VOICES
A.京(みやこ)を学ぶ
「京都世界遺産PBL科目」担当教員・施設担当者インタビュー
【担当教員から】
多田 実 先生
同志社大学
- Q1:この科目のねらい、魅力は?
- 元離宮二条城を学びの場として、価値主導型マーケティングの手法を中心に用い、文化遺産マーケティングについて考えます。この手法は[スピリット・ハート・マインド]といった人間の感情的な部分を重視する新しい概念で、これを踏まえたフィールドワークを行うことにより、 地域マーケティングに関する実践的かつ現代的な問題発見解決能力が修得でき、最後に具体的な実施イベントを企画して二条城(京都市)に提案します。
- Q2:実際に開講していかがでしたか
- 例年どおり、特定のミッションや課題などを事前には定めない(プロジェクト型ではない)問題発見解決型のPBL(Problem Based Learning)で開講したところ、改善点の発見や新たな企画の模索に加えて、二条城から徒歩圏内の三条会商店街との連携を考えた班もあり、商店街の店主さんと直接交渉をして具体的な連携イベント実施に向けたお膳立てをした行動力は高く評価できると思われます。
- Q3:今後の授業の取り組みや計画、参加する学生への期待をお聞かせください
- 本クラスは、最初の三年間「O2O(Online to Offline)マーケティング」をメインに開講していましたが、その後、人間の心理を考慮した「価値主導型マーケティング」を活かす形にバージョンアップしました。今後は、さらにSNS時代に相応しいキーワード「アドボケイツ(advocates)」を考慮した最新のマーケティング手法の概念や思考法も活用することにより、社会貢献が実感できるアウトカム(成果)の創出を、受講生の皆さんに期待しています。
- Q4:その他、メッセージ等
- 授業ではマーケティングの基本から応用まで講義しますので、これまで商学系の科目を学んだことがなくても大丈夫です。また、グループワークで活動しますので、他学部や他大学の学生との交流ができます。これまでの成果を新たな受講生が引き継いで、いくつかの提案やプランが授業期間内に実現できることを期待しています。
【施設担当者から】
鳥居 将志 様
京都市元離宮二条城事務所
- Q1:授業を受け入れる理由について:事業等における課題解決・効果、大学・学生に対しての期待について
- 京都市内にある唯一の城郭で、全国から小中学生は修学旅行で訪れていただくのですが、大学生をはじめとする20代の方にもっと訪れてもらうきっかけとしたいというのが受け入れた理由の一つです。大学生自らが課題についてどういう視点でとらえ、それをどう解決していくか期待しています。
- Q2:実際に授業を受け入れて:フィールドワーク、成果報告内容などから、学生の取り組みについて感じられたこと
- 実際に今後取り入れたいと思う考えを提案してもらうことや、フィールドワークの時にこちらが気づかないような鋭い質問が出ることもあり、想像以上に学生の皆さんが真剣に取り組んでいることが印象的です。この授業を通じて二条城の魅力だけでなく、文化財や世界遺産の魅力を広げる役割を果たしてくれているようでとても頼もしく感じています。
- Q3:学生の活動内容についての評価:Q1での期待に対しての評価、今後取り組んでほしい課題やテーマなど、今後、この授業に参加する学生の学びや成長に対する期待について
- 自分たちで課題を見つけて、その解決策を具体的にどう考えていくのかという過程について、大学生ならではの考えを出してくれることに期待しています。欲を言えばもっといろいろな大学から学生が集まって、多様な意見の中で解決策を導いてくれることになればいいなと思います。
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