VOICES
A.京(みやこ)を学ぶ
「ミュージアムPBL科目」担当教員・施設担当者インタビュー
【担当教員から】
服部 篤子 先生
同志社大学政策学部教授
- Q1:この科目のねらい、魅力は?
- 企画段階では、動物園に様々な特徴と魅力があると感じていました。例えば、都市部にあり東山岡崎という文化、歴史のある位置にあること、多世代が集う公共の場であること、いのちと向き合う場であり動物園は野生の入り口であると謳っていること、などです。そこで学生は世代をつないで魅力を伝える役割を担えるのではないか、と考え、学生が五感をフルに生かして京都市動物園ならではの教育イベントを実施することを目指しました。
- Q2:実際に開講してどうでしたか?
- ヒアリングやフィールド調査、ワークショップを通じて学生たちが学びを生かすこと、つまり実践をする楽しさと難しさを感じ取ってくれたことが伝わりました。学びと実践の両輪の重要性を改めて感じたところです。京都市動物園の魅力を発見するために他の動物園と比較して感動を写真に収めるなど、フィールド調査を実施したこと、そして動物カメラマンから「伝えるとは何か」を考える機会を得たことなどが学びを深めるきっかけとなったように思います。
- Q3:今後の授業の取り組み計画、学生の学びや成長への期待についてお聞かせください。
- 今後も、個人でできる調査とグループワークを組み合わせて学びあいを行います。そして、ヒアリングをすること、イベントを企画すること、いずれもそのために十分に調査し準備する姿勢が必要です。そのうえで学びをどう生かして発信するのかを考え実践します。実際にやってみてこそ発見があり、そこに成長があると期待しています。このプロセスがフィールドワークであり、学ぶ楽しさが味わえることがフィールドワークの魅力だと考えています。
【施設担当者から】
田中 正之 様
京都市動物園 生き物・学び・研究センター長
- Q1:授業を受入れた理由についてお聞かせください。
- 博物館相当施設として、生涯教育施設として、動物園の教育的機能を高める上で、相対的に利用数の少ない大学生の利用機会となることが第一の受け入れ理由です。その上で、大学生の視点から動物園の魅力を発見し、それを同年代に伝えることを課題として進めてくれることを期待したことがもうひとつの理由です。
- Q2:実際に授業を受け入れてどうでしたか?
- 元々動物園のことが好きな学生はもちろんのこと、初めの自己紹介のときに動物園には関心を向けていなかった学生が、授業を進めるうちに動物園の意義やその魅力に気が付いてくれたことが収穫でした。学生たちはみな真面目に取り組んでくれて、最終的な成果報告会の他にも、動物園で実地にワークショップも実施してくれ、とてもよい印象でした。
- Q3:今後、この授業に参加する学生の学びや成長に対する期待についてお聞かせください。
- 受入施設として名乗りを上げましたが、はたして履修登録をしてくれる大学生がいるのか?ということが心配の種でした。結果的に担当の服部先生の大学から多くの学生が登録してくれましたが、次の課題としては、大学コンソーシアム京都の科目として、他の大学からも履修登録者が集まり、より多様な意見が集約されることを期待したいです。
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