VOICES
A.京(みやこ)を学ぶ
「京都世界遺産PBL科目」担当教員・施設担当者インタビュー
【担当教員から】
大窪 健之 先生
立命館大学
- Q1:この科目のねらい、魅力は?
- この科目のねらいは、文化遺産や歴史都市を「防災」という視点から見つめなおし、これまでの長い歴史をどのように生き抜いてきたのか、現在はどのようにして災害安全に取り組んでいるのかを学び、さらに未来に向けたアイディアを盛り込んだ対策プロジェクトを、グループワークで考えることにあります。
世界文化遺産である清水寺とその周辺地域を支えてきた先人の知恵や、最先端の知られざる舞台裏に触れられるところが最大の魅力だと思います。
- Q2:実際に開講していかがでしたか
- この講義は7年間にわたり4日間連続の夏季集中形式で実施しているため、これまでは台風などの不測の事態でカリキュラム全体が混乱することもありました。そんな中、今年度は天候も穏やかで現場の隅々まで視察させていただき、充実したPBL演習となりました。新型コロナウィルス感染症拡大に配慮するため、グループワーク等の作業は細心の注意を払っての実施となりましたが、各チームとも無事に最後までやりきり、所有者様にも一定の評価をいただけた中身の濃い提案に結実できたと思います。
- Q3:今後の授業の取り組みや計画、参加する学生への期待をお聞かせください
- この講義は、代々の受講生からご意見をくみ取りながらアップデートしてきたカリキュラムですので、基本的な骨格は変えずに計画しています。その一方で、新しい世代の新しいアイディアにはいつも驚かされています。多少は夢物語の部分があっても思い切って提案し、仲間とディスカッションすることでプロジェクトは磨かれます。積極的に議論に参加する前のめりの姿勢に期待しています。
- Q4:その他、メッセージ等
- 受講を検討しているみなさん、ぜひ一緒に世界遺産の防災に取り組んで参りましょう!
【施設職員から】
森 清顕 様
清水寺執事補 清水寺塔頭泰産寺住職 上智大学グリーフケア研究所研究所非常勤講師
- Q1:授業を受け入れる理由について:事業等における課題解決・効果、大学・学生に対しての期待について
- 課題解決も大事であるが、それ以前に問いを立てることの大切さを学生さんに学んで貰いたいから。また、他大学・他学部の学生との繋がりをもつ場の提供。文化財を守ることをテーマとするが、避難の図上訓練を含め様々な場に於いて命を守る意識を持つことを考える切っ掛けとして貰いたい。
- Q2:実際に授業を受け入れて:フィールドワーク、成果報告内容などから、学生の取り組みについて感じられたこと
- フィールドワークを通して実際に見聞することで毎回新たな指摘があり大変機知に富むディスカッションが行われている。ゼミのような深い繋がりが出来ており、授業が年度で終わっても、関係性がそれ以降も維持されている。
- Q3:学生の活動内容についての評価:Q1での期待に対しての評価、今後取り組んでほしい課題やテーマなど、今後、この授業に参加する学生の学びや成長に対する期待について
- 大窪先生科目では、どこに居ても起こりうる地震や災害において、危険を避けるためにはどう行動するべきかということを、この授業を通して考え方や行動を学ぶことで、もしもの時に命を守ることができ、防災意識を他の人にも伝えられる人になって貰いたい。
- Q4:その他、メッセージなど
- 授業が終わっても、清水寺で共に学んだOBOGがいつでも戻ってこれるような場として、寺としてもありたいと考えている。
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